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『懊悩』
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お金がないというのに、どうしても読みたくて、紀伊国屋まで買いに行ってしまいました!


その名のとおり、この本は大正時代の新聞に掲載された身の上相談を集めたものです。雑誌や新聞によくある人生相談のコーナー、日本で開始されたのは大正時代。でも、90年近くも昔に生きた人たちの悩みなのに、案外身近に感じてしまうんです。


「身体がぶかっこう」「もう異性で悩みたくない」「恋をとるか友情をとるか」「友達から手紙が来なくて寂しい」「雷が怖い」…などなど。どれも日常的で、思わず自分のことかと目を疑うものもあるくらい。そして、どれも微笑ましい…というか笑えます。悩みに対する記者のお答えも、ポイントを押さえていますが、やけに真面目だったり、ちょっと皮肉っぽかったりして、なかなかいい味を出しています。


「いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。」


太宰の『女生徒』の一節をふと思い出しました。時間が経てば、悩みなんて笑い飛ばせるはずなんだけど、悩んでいるそのときは、苦しくて、辛くて…。本を読んで噴き出しつつ、でもここに紹介されている悩みの持ち主たちは、きっと真剣に悩んで悩んで、藁にもすがる思いで新聞に投稿したんだろうなぁ…と、そんな当たり前のことを考えてしまいました。


    …そんなことより、もっと生産的な本も読まなきゃ!


『大正時代の身の上相談』カタログハウス編
                     (ちくま文庫)

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【2005/11/09 23:53】 | コメント(5) |
『秋の日』
天気予報は雨でしたが、嬉しい誤算、暑いほどの秋晴れ!
今日も午前の授業の後、六大学野球を観に神宮球場へ♪サークルで実況の練習。
到着すると、第1試合・早稲田対立教戦の終盤でした。なんとか早稲田が勝ったものの(確か4対2でした)、今シーズンの優勝は少し厳しそう…でも、期待は持ち続けます。優勝候補の法政は、第2試合で慶應と対戦。先週東大を相手に完封した下敷領投手が、今日も慶應打線を次々打ち取る。9回裏に1点を取られたものの、完投1失点、法政が4対1で勝利。強い!
今月で六大学野球の秋季リーグも終わりです。明日以降の土日の予定はすでに埋まっているので、次に神宮に観戦に来るのは来年の春…と思うと無性に寂しくなりました。サークルの仲間と実況の練習をしながら応援する時間は本当に好きです。


帰りの電車の中で、1週間ほど前から読んでいる二葉亭四迷の『平凡』を読み終えました。文庫本にして150ページほどの中編小説ですが、読むのが遅いので、気付いたらこんなに時間が経っていました…。「わたし」の“平凡”な半生を綴ったこの小説、書かれたのは明治の終わりですが、何よりもその読みやすい文体に驚きます。難しい現代小説よりよっぽど読みやすい。ダラダラ書いているのかな?と思われる箇所もあるけれど、当たり前のことを絶妙な筆で書いていて、なんだか可笑しいんです。「この次は代数の時間とか、幾何の時間とかなると、もうそれが胸につかえて、ため息が出て、何となく世の中が悲観された。」…共感(笑)一つの小説としてより、一文ごと、小さなシーンごとに楽しむべき作品かもしれません。愛するポチについて何ページにもわたって語るシーンもいいです。また、小説と一緒に収録されている談話も貴重なものが多くて、短いながらなかなか興味深いものが揃っていました。次は『浮雲』を読んでみようかな~と思います。
【2005/10/15 23:03】 | コメント(0) |
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